ゼロから、宿す。― 宿巣が生まれた理由

 

2011年、3月11日。

津波、地震、そして原発事故。

福島県南相馬市は、一時的に“人口ゼロ”の街となりました。

 

人の声が消え、灯りが消え、

モノも、場所も、意味を失ったかに見えたこの地。

 

けれど私たちは、「ゼロ」を終わりではなく、始まりと捉えました。

 

 

🛖 “宿す”宿の誕生

 

震災で生じた災害ごみや流木、瓦礫――

それらは、かつて誰かの暮らしの一部だったもの。

 

私たちはそれらを捨てず、

もう一度命を吹き込むようにして、

「宿」として空間をつくり直しました。

 

その名は、宿巣(やどす)。

 

 

 

✨ 信じるものに、神が宿る

 

宿巣にあるモノたちは、

ただの古物ではありません。

 

ここを訪れた人々が、

自分の想いや願いを託す絵馬となるのです。

• 名前を刻み、覚悟を宿す

• 持ち帰ってもよし

• 置いていってもよし

• 他者と想いを共有するもよし

 

信じたそのモノに、神は宿る。

それはあなただけの信仰であり、祈りです。

 

 

🔁 過去から未来へ、モノと想いをつなぐ宿

 

瓦礫の中から、もう一度“暮らし”をはじめる。

失った場所で、再び意味を見出す。

 

宿巣は、

「忘れたくないこと」と「これから向かいたい自分」とを

静かにつなげる、再生の宿です。